WAZAGUギャラリーにて「豊岡柳-KAGO展」を開催しています。
豊岡の柳細工の伝統を伝えるパネル展示と柳製品の実物展示とともに、柳細工の技法を生かしたバスケットタイプのバッグやアタッシュケースなど、新感覚の柳のかご製品を展示しています。
ギャラリーに入るとすぐに、豊岡から届けられた2mを超える本物のコリヤナギの木が迎えてくれます。柳というと川岸の枝垂れ柳が思い浮かびますが、コリヤナギは畑で栽培され、すらっとまっすぐになるように育てられます。
豊岡産のコリヤナギです。刈りとられた状態でも新芽が出て花を咲かせています。刈りとったあと冬を越させ、春になって芽吹くとき樹皮の下に水の通り道ができるため、皮を剥きやすくなるのです。蒸気で蒸して皮をむいている海外製の柳製品とは比較にならないほど強度があるのだそうです。
伝統工芸士の柳細工職人さん三人によるバッグ、アタッシュケースなどのかご製品の軽さには本当に驚かされます。ぜひ実際にお手に取ってみてください。また、柳を編み込む縦の柱となる部分にも柳が使われているので、とても強度があります。(海外製の柳細工は柳ではなくて籐が使われているものが多いそうです)枝をまっすぐにするために脇芽を摘まなければならず、材料を育てるところからたいへんな手間暇をかけて作られているのです。
コリヤナギと柳細工についての解説パネル。今回の展示は内容が盛りだくさんで楽しめます。兵庫県の豊岡地方は、柳細工の原料となるコリヤナギの産地として千年以上の歴史があり、江戸時代に特産品の柳行李の生産が盛んになりました。明治以降、豊岡は東京、名古屋、大阪と並ぶ日本四大鞄産地となり、柳製品は輸出もされるようになり、皮のかばんも作られるようになりました。伝統の素材「柳」が豊岡のかばん作りの技術によって新感覚の製品として再生する、豊岡の伝統産業の今の姿が伝わる展示です。
柳細工のほか、有田焼や江戸切子とのコラボ製品、柳の皮で染色されたトートバッグなどの布製品も併せて展示しています。4月22日(月) まで 10:00―18:00 (最終日のみ15:00まで)